最近の外来の様子2024年2月

現在、多くの種類の感染症が同時に流行しています

 

1 インフルエンザ:A型も2タイプ、B型の3種類が混在して流行しています

クリニックでは、タミフル内服、リレンザ吸入の2種類で対応しています

2回目の予防接種もまだ受け付けています、接種を終了している医療機関もありますが、今後もだらだらと流行の可能性あるため、来シーズンの流行にそなえての意味もあると考えています

インフルエンザの感染により熱せん妄状態、興奮状態となることがあります

とくに10歳代の感染の場合は、家族の誰かがそばにいるようにしてください

 

2 感染性胃腸炎(嘔吐下痢症、ウイルス性)

嘔吐下痢をきたす風邪ウイルスとして、ノロウイルス、サポウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス、などがあります、乳幼児の場合発熱→嘔吐→下痢(特徴的な色、におい)などで診断がつきやすいのですが、年長児の場合嘔吐のみで熱や下痢がなく軽症で受診する場合もあります(後から下痢、微熱など出現)

 

嘔吐や腹痛のみの場合、他の感染症や原因も含め診断しにくいことがあります(後から診断つく場合もあり)

~時に髄膜炎、虫垂炎(盲腸)、最近では溶連菌感染(咽頭痛+腹痛)も~

安静にし、飲水(OS-1など)、整腸剤、五苓散(クリニックでは坐剤も院内処方であり)で対応となります

OS-1と五苓散の併用で点滴することがほとんどなくなっています

なお胃腸炎の迅速検査を行ない結果が陰性であっても否定はできない、特効薬がなく水分補給と安静が一番の治療のためクリニックでは迅速検査は行っておりません

 

3 溶連菌性咽頭炎

発熱+強めの咽頭痛+発疹(イチゴ舌、発疹)などが特徴的で、免疫力の強い3歳以降~に多く見られます

ペニシリン系の抗生剤10日、もしくはセフェム系抗生物質5-7日で治療となります

溶連菌感染後の腎炎はほとんどみられないので必ず2週間後の検尿はおこなってませんが、2週間後と限らず溶連菌感染後の体調不良時には尿検査が必要です

 

4 新型コロナウイルス感染症

2024年2月の時点では、インフル8-9に対しコロナ1-2の割合となってます

大人でインフルか?と疑ってたらコロナウイルス感染だったということが多いようです

 

5 マイコプラズマ感染

年長~小学生で微熱が持続5-6日、しつこい咳も持続、重症ではないがレントゲンで陰影ありといったケースがあります、マクロライド系の抗生剤で治療しますが、時に耐性があるため注意が必要となります

クリニックでは、スポットファイアー(同時に多項目のPCR検査可能)とスマートジーン(耐性があるかわかる)を活用しています

 

6 アデノウイルス感染

咽頭結膜熱(プール熱)は下火になっています、アデノウイルス感染は扁桃炎、咽頭炎、結膜炎だけでなく胃腸炎も引き起こしたりと多彩な症状・感染を引き起こします

 

7 ライノウイルス感染

いわゆる 風邪 の8割の原因、潜伏期2-3日

喘息の急な悪化の原因の6-7割を占めています

 

8 ヒトコロナウイルス感染

今の新型コロナのほかにも、季節ごとに流行する(旧?)コロナウイルスもあります

~今の新型コロナも将来はこの項目に含まれるでしょう

 

9 パラインフルエンザウイルス感染

クループ(喉頭気管支炎)として有名、咳が強い、咽頭後壁のイクラ様リンパ節、など

犬吠用の咳が特徴的です(バウワウ~)

 

他にも水痘などありますがとりあえずこのあたりが最近のクリニックでの流行となってます